日本酒ってどんな酒? Vol.13 「日本酒銘柄・酒造ガイド入門編 その② ~近畿地方の銘柄10選~」

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日本酒ってどんな酒? Vol.13 「日本酒銘柄・酒造ガイド入門編 その② ~近畿地方の銘柄10選~」

前回の東北地方に引き続き、近畿地方の銘柄を取り上げます。白鶴、月桂冠をはじめ日本有数の規模を誇るメーカーが、特に兵庫と京都にはたくさんあります。それ以外にも、個性に富んだ酒造が目白押しですよ。

 

近畿地方の代表的な銘柄10選

それでは早速まいりましょう!近畿地方からセレクトした10銘柄を、銘柄の五十音順で並べました。

酒造を代表する一本は、一部プレミア品はさておき価格面も考慮して選定。特定名称と日本酒度(甘辛の指標)、アルコール度数を記載しています。

風の森 ALPHA1「次章への扉」(油長酒造/奈良)

【特定名称:純米/日本酒度:非公開/度数:12%】

地元の米を使った、搾りたてそのままのお酒を飲んでほしい」との想いから生まれたシリーズ。無濾過無加水で、「秋津穂」「露葉風」など酒米の違いを打ち出したラインナップが揃います。

その味わいは、まるで果実のようにフレッシュな甘みとフレーバーのあるものが主体。セレクトしたALPHA1は、低アルコールながら十分なボディを感じてもらえるはず。

 

油長酒造(奈良県)|風の森 ALPHA1 次章への扉

油長酒造(奈良県)|風の森 ALPHA1 次章への扉

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辛丹波 本醸造(大関/兵庫)

【特定名称:本醸造/日本酒度:+7/度数:15%】

「ワンカップ大関」があまりに有名。灘の日本酒を全国に知らしめた存在です。「辛丹波」の酒銘は、日本三大杜氏の一角である「丹波杜氏」の技を受け継ぐ、辛口の酒であることを表しています。

雑味を感じさせない辛口で料理を引き立て、ほぼ全ての温度帯に対応でき、価格もリーズナブル。自宅に常備する一本としてもぜひ。

 

大関(兵庫県)|辛丹波 上撰 本醸造

大関(兵庫県)|辛丹波 上撰 本醸造

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黒牛 純米酒(名手酒造店/和歌山)

【特定名称:純米/日本酒度:+4/度数:15.6%】

出荷量の95%以上が純米酒。「純米酒は、2杯目、3杯目からが美味しい」という考えのもと醸された、しっかりとしたボディがありながらも香りは穏やかで、ふくよかな味わいの食中酒が身上です。

こちらのスタンダードである純米酒は、芳醇かつ旨口。タレの焼き鳥など、少し濃いめの味付けが特にマッチするでしょう。

 

名手酒造店(和歌山県)|黒牛 純米酒

名手酒造店(和歌山県)|黒牛 純米酒

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黒松剣菱 本醸造(剣菱酒造/兵庫)

【特定名称:本醸造/日本酒度:非公開/度数:16.8%】

「灘の男酒」を地でいく、硬派な酒が揃います。兵庫が誇る山田錦をメインに、米の出来によって精米歩合を毎年変える手法も独特です。また、ほんのり黄色みがかった酒色も印象的。

米の豊潤な旨みをどっしりと感じながらも、酸味や辛みなどの複雑味もあり飲み疲れしない味わいです。本醸造酒は、燗につけると米の風味がいっそうふくらみます。

 

月桂冠 THE SHOT 大吟醸(月桂冠/京都)

【特定名称:大吟醸/日本酒度:非公開/度数:15~16%】

1637年創業。明治時代にはすでに科学技術を取り入れており、四季醸造システムや、カリフォルニアへの米国月桂冠の設立など、先進的な取り組みが光ります。2019年には、締め直せるキャップ付きで持ち運びラクラクな「THE SHOT」シリーズを発売。

フルーティー&ドライな飲み口の大吟醸など、スタイリッシュな180mlボトルが4種揃います。

 

呉春 本丸 本醸造(呉春/大阪)

【特定名称:本醸造/日本酒度:±0/度数:15.9%】

江戸時代に栄えた「池田の酒」を守り続ける酒造。セレクトした本醸造酒は「甘くもなく、辛くもない」絶妙なバランスで、ふくらみのある旨みとかすかな渋み・苦みが同居します。

食中酒にぴったりで、天下の台所・大阪で愛され続けてきたことに頷ける味わい。価格も良心的なので、普段飲みの一本にぜひ。

 

呉春(大阪府)|呉春 本丸 本醸造

呉春(大阪府)|呉春 本丸 本醸造

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作 雅乃智 中取り(清水清三郎商店/三重)

【特定名称:純米大吟醸/日本酒度:+1/度数:16%】

2016年のG7伊勢志摩サミットで振る舞われたことで一躍有名に。フルーティーかつ透明感ある味わいは、初心者にもおすすめです。「中取り」は、搾りの過程で最もバランスの取れた中間部のみを採取してボトリング。

洋ナシやパイナップルを思わせるような香りが華やかに広がりながらも、キレは良く杯が進みます。

 

而今 特別純米(木屋正酒造/三重)

【特定名称:特別純米/日本酒度:+1/度数:16%】

少量生産体制により、プレミア日本酒と名高い銘柄。生酒がブームとなっているなか、こちらは「火入れ酒」に定評があります、持ち味は、何と言ってもその“バランスの良さ”。

柑橘系の爽やかな吟醸香から、しっかりとした甘み・酸味とつながり、それらがスッと抜ける美しい仕上がりです。伊勢志摩サミットでもこの銘柄が振る舞われました。

 

玉川 自然仕込 純米酒〔山廃〕無濾過生原酒(木下酒造/京都)

【特定名称:純米/日本酒度:非公開/度数:19~21%】

日本初の外国人杜氏である、イギリス出身のフィリップ・ハーパー氏による前衛的なアイデアが光ります。超甘口タイプの「Time machine」シリーズや、オンザロックに特化した夏酒「Ice Breaker」など、その数は限定品含めなんと100種類以上!

特に力を注ぐ、酵母無添加の「自然仕込」シリーズは、熟成感あるパワフルな味わいが独創的です。

 

白鶴 翔雲 純米大吟醸 自社栽培 白鶴錦(白鶴酒造/兵庫)

【特定名称:純米大吟醸/日本酒度:+1/度数:15~16%】

「灘五郷〔なだごごう〕」と呼ばれるうちの一角で、全国的に見てもトップクラスのシェアを誇ります。最高級の酒米・山田錦を再交配させ、10年以上の歳月をかけて独自開発した「白鶴錦〔はくつるにしき〕」を50%まで磨き上げた「翔雲」は、ぜひとも味わってみてほしい一本です。

芳醇ながら酸味はなめらかで、余韻までエレガントな香りも魅惑的

 

次回は「関東・東海・中国地方etc.」!

初心者のための銘柄ガイドも次回でラスト。

「関東・東海・中国地方など」として、東北・近畿以外の地方の銘柄をご紹介します!

 
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