ビールってどんな酒? vol.7 「エール系その③ ~白ビール・イギリスの黒・ベルギービール~」

お酒の基礎知識

vol.7 「エール系その③  ~白ビール・イギリスの黒・ベルギービール~」

ビアスタイル「エール系」ラストの第三弾です。

独特な個性をもつ3つの小分類について解説していきますよー!お店でこのスタイルを見つけたら、ぜひ一度試してみてくださいね。

前回、前々回の記事をまだご覧いただいていない方は、合わせてお読みいただくと、多彩なエール系の世界をより深く知っていただけると思います。

 

ビールってどんな酒? vol.5 「エール系 その① ~奥深き世界~」

ビールってどんな酒? vol.6 「エール系 その② ~”IPA”は、クラフトビールブームの火付け役!~」

白ビール

白ビール

 

ビールには大麦麦芽を使いますが、こちらはその一部に小麦を使用。麦芽が主張しすぎない、マイルドな味わいに仕上げたものが多いです。ここで紹介する代表的な2スタイルは苦みが少なく、代わりにスパイスのニュアンスを加えています。

実際の色味は、白というよりピルスナーなどに近い黄金色。このスタイルが生み出された19世紀ごろまで色の濃いビールが主流だったため、その対比で色の薄いことを「白」と表現したと言われています。

ヴァイツェンビア(ヴァイスビア)

大麦麦芽に加え、小麦麦芽を50%以上使用。専用のヴァイツェン酵母特有の、バナナのような甘くフルーティーな風味と、クローブを思わせるふくよかなスパイス感が特徴です。泡立ちも豊かで、ビールが苦手な人でも比較的飲みやすいスタイル。

<スタイルDATA>発泡性:強/苦味:微~弱/甘味:中~強/アルコール度数:5.0~5.5%

ヴィットビア(ベルジャンホワイト)

こちらは大麦麦芽に、発芽していない小麦を使います。副原料に、オレンジピールとコリアンダーシードなどのスパイスを用いるのも大きな特徴です。ヴァイツェンよりも一層軽やかで、繊細な味わいが楽しめます。日本では、「ヒューガルデンホワイト」が缶ビールにもなっており有名。

<スタイルDATA>発泡性:強/苦味:微/甘味:中/アルコール度数:4.5~5.5%

イギリスの黒ビール

イギリスの黒ビール

 

「黒ビール」はイギリスが発祥。150℃以上の高温で焙煎した麦芽を原材料の一部に用いることで、濃い褐色または真っ黒なビールが出来上がります。チョコレートやコーヒーを連想させるふくよかな風味や、タンニン由来の渋みが特徴です。

※記事中の<スタイルDATA>は、『ビールは楽しい!(ギレック・オベール著/河 清美訳/株式会社パイ インターナショナル発行)』を主に参照しています。

 


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ポーター

名前は「港の荷運び人」の意味。ロンドンの港で働くポーターが好んで飲んだことからその名がついた、という説があります。ほかの黒ビールに比べて苦みがマイルドで、ローストした麦芽の甘味とコクを心地よく堪能できます。より苦みが尖って感じられる「ロブストポーター」というバージョンも。

<スタイルDATA>発泡性:弱/苦味:中/甘味:中/アルコール度数:4.0~5.5%

スタウト

ポーターの派生形で、英語で「強い」という意味をもつ。ローストした麦芽をより多く使っているため、ポーターよりもさらに色が濃く、麦を焦がした風味が強いのが特徴。缶ビールなどでおなじみの「ギネス」もこのスタイルです。ハイアルコールで一層濃厚な「インペリアルスタウト」や、乳糖(ラクトース)を加えることで甘味をプラスした「ミルクスタウト」など、バリエーションもさまざま。

<スタイルDATA>発泡性:中~強/苦味:中~強(渋みと混同されることが多い)/甘味:中~強/アルコール度数:4.0~6.0%

 

ベルギービール

ベルギービール

 

ベルギーには、ほかの国にはあまり見られないビール文化があります。修道院(キリスト教徒が共同生活を送る場)の自給自足の暮らしのなかで製造されてきたスタイルがあったり、土着の野生酵母で発酵させたり・・・。

家族経営など小さなブルワリーも多く、現在、銘柄数は1000を超えるとされています。「クラフトビール」が独自の発展を遂げてきたと言えるでしょう。スパイスや糖類を副材料として添加することも多く、実は先述の「ヴィットビア」もベルギービールのひとつなんですよ。

「自然発酵」や「複合発酵」といった特殊な発酵方式で作られるスタイルもありますが、ここでは上面発酵ビールのみを紹介します。

ダブル/トリプル(修道院ビール)

修道院で代々伝えられた製法がベース。ダブル/トリプルという名称は、大まかなアルコール度数に応じてビール樽に十字架をふたつ、みっつと刻んだ名残りなんです。瓶詰めをしてから熟成を経るのが独特で、どっしりと麦芽の味わいを感じる濃厚さが魅力。アルコール度数も高めで、酵母に由来するフルーツやスパイスのニュアンスもあります。

<スタイルDATA>発泡性:中/苦味:弱/甘味:中~強/アルコール度数:6.0~7.5%(ダブル)、7.0~10.0%(トリプル)/熟成:5年まで可能

セゾン

穀物栽培農家で、閑散期の冬に仕込んで夏の農作業中に飲まれた伝統がある。そのため喉の渇きを潤すような清涼感が特徴で、ライトな飲み口です。オレンジやレモンといった柑橘類と、スパイスが一体になったような爽やかなフレーバーは、専用のセゾン酵母ならでは。

<スタイルDATA>発泡性:強/苦味:弱/甘味:弱/アルコール度数:5.0~7.0%

次回でビアスタイル編完結!

次回でビアスタイル編完結!

 

ここまで、代表的なものを挙げるだけでも本当に多くの、多彩なスタイルを紹介してきました。ビアスタイル編は、次回でついに最後です!

ベルギービールの項目で少しだけふれた自然発酵をはじめ、独特な製法で作られるビールたちを、「その他のスタイル」として解説します。

ビールってどんな酒? vol.7 「エール系その③ ~白ビール・イギリスの黒・ベルギービール~」

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