ビールってどんな酒? Vol.4 「ラガー系は世界で最も飲まれている!」

お酒の基礎知識

Vol.4 「ラガー系は世界で最も飲まれている!」

今回からは「ラガー系」「エール系」「その他」とカテゴリーに分けて、世界で代表的なビアスタイル(ビールの種類)を、それぞれ簡単なデータとともに紹介していきます。

「へえ~こんなビールもあるんだ」と知ってもらうとともに、広くて奥深いビールの世界を少しでも身近に感じてもらえるよう、今回も「わかりやすさ」を重視して書きます!

そもそもビアスタイルって何?という方は、前回の記事でそれを解説しておりますので、ぜひ読んでみてください。

 

ビールってどんな酒? vol.3 「ビアスタイルって何?」

「ラガー系」=「下面発酵式ビール」

「ラガー系」=「下面発酵式ビール」

まずは前回のおさらい

ビアスタイルは、大きく「エール系」「ラガー系」「その他」に分けられる。そしてエールとラガーの違いは、まず第一に発酵の方式の違いである。つまり今回ご紹介するラガー系とは、発酵が進むとタンクの底に沈殿していく酵母を用いた、下面発酵式ビールのこと。

低アルコールで爽快感がある

「ラガー」という言葉はドイツ語で、「貯蔵する」という意味があります。実際、発酵工程を終えた後の熟成期間において、貯蔵庫の中で二次発酵を行なうという特徴もあるんです。

で、そのように造られたビールは、どのような色や味わいになるのか。「淡色系(薄めの黄色であることが多い)・低アルコール」が主な特徴で、スカッとするような爽快感を押し出したものが多いです。

日本国内はもちろん、世界で最も普及しているのがラガー系だと言われているんですよ。

まずは淡色系から

まずは淡色系(薄い黄色系)から

 

それでは、いよいよ各スタイルの紹介に参りましょう! ランダムに並べていくのではなく、ここでは色味で区分してみました。

※記事中の<スタイルDATA>は、『ビールは楽しい!(ギレック・オベール著/河 清美訳/株式会社パイ インターナショナル発行)』を主に参照しています。

 


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ピルスナー

「ラガーの女王」とも呼ばれる、ラガービールと言えばこれ!というスタイル。ホップに由来する爽快な風味と苦みが特長で、発泡性も強い。よく聞く「のど越し」という表現は、このスタイルについて使われることが最も多いと、筆者は感じています(ビールは、喉で味わうだけではないのです・・・!)。日本の「とりあえず生!」はこのスタイルかその派生形であることがほとんど。

<スタイルDATA>発泡性:強/苦味:極強/甘味:弱/アルコール度数:4.5~5.5%

ライトビア

「アメリカン・ラガー」とも呼ばれるくらい、アメリカで人気。ピルスナーよりもさらに爽快感を前面に押し出しており、低アルコールかつ低カロリー。米やトウモロコシを副原料として使っていることもあります。日本でよく名前を聞く「バドワイザー」も、この種類に入ります。

<スタイルDATA>発泡性:強/苦味:弱/甘味:なし/アルコール度数:2.2~3.5%

ドルトムンダー

ドイツ最大のビール生産地である「ドルトムント地方」発祥。ピルスナーよりもホップ特有の香り・苦みが控えめで、麦芽とホップが調和した、マイルドで品のある味わいが特徴です。「サッポロ ヱビスビール」もこのスタイルにあたります。

<スタイルDATA>発泡性:中/苦味:弱/甘味:弱/アルコール度数:5.0~5.5%

へレス

ドイツ南部の、バイエルン地方ミュンヘン発祥。上述のドルトムンダーと同じくピルスナーが派生したスタイルですが、こちらのほうがさらに麦芽本来の甘味・旨みを感じる味わい。

<スタイルDATA>発泡性:中/苦味:弱/甘味:中/アルコール度数:4.5~6%

褐色(橙~茶色)と黒色系

褐色(橙~茶色)と黒色系

 

次に並ぶのは、ひと口に言うと濃いめの色合いのもの。

ここではあくまで、初心者でも違いがわかりやすそうな、代表的なものを挙げています。実際は、もっと多くのスタイルがありますよ。

メルツェン

オーストリア・ウィーン発祥。ラガーながら赤銅色をしているのは、低めの温度で焙燥〔ばいそう〕されたウィンナーモルトを用いているため。焼きたてのトーストのような香りや、カラメルを思わせる風味が印象的です。ドイツのビールの祭典「オクトーバーフェスト」で伝統的に振る舞われているのもこのスタイル。

<スタイルDATA>発泡性:中/苦味:弱/甘味:弱/アルコール度数:4.5~5.5%

シュヴァルツ

ドイツ語で「黒」という意味を持つ黒ビール。その色は、しっかりとロースト(焙煎)された麦芽に由来しています。見た目とは裏腹に、そこまで苦くなく、コーヒーのような香ばしさが感じられます。発泡性も強く、意外とフレッシュな飲み口。

<スタイルDATA>発泡性:強/苦味:中/甘味:弱/アルコール度数:4.5~5.5%

ボック

ドイツ・バイエルン地方の特産品。濃い麦汁を使うことで酵母が存分に働くので、アルコール度数が高いのが特徴。さらにローストした麦芽を用いており、麦の豊かな風味が口いっぱいに広がります。麦芽のロースト具合などによる様々な色味・バージョンが存在。特に一段と濃厚な「ドッペルボック」が有名で、こちらはアルコール度数が10%近くにもなります。

<スタイルDATA>発泡性:中、バランスが良い/苦味:弱~中/甘味:中/アルコール度数:6~10%

 

次回はエール系について解説

次回はエール系について解説

 

いかがでしたか? 特に褐色・黒色系のラガーには、あまりなじみのない方も多いのではないでしょうか? お店で見かけたら、ぜひチャレンジしてみてくださいね。とにかくいろんなスタイルを飲み比べることが、自分の好きな味に巡り合う近道ですよ。

次回は、もう一つの主要な分類「エール系」のビアスタイルをご紹介します。日本でも大きなブームとなった「IPA(インディア・ペールエール)」もこちらに分類されるんですよ。一般的なピルスナーしか飲んだことがないという人にとっては、エール系のほうがより新鮮さを感じてもらえることでしょう。

 

次回もどうぞよろしくお願いいたします!

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