昨今の酒イベントには若い人達もたくさん参加しているのを見かけますよね。一方の酒蔵も世代交代が進んだり、新たなチャレンジャーが出てきているのもあり、若い作り手が増えつつあります。

そんな若手の醸造家などが新しいお酒の飲み方などを提案する「若手の夜明け2023AUTUMN」が9月13〜16日まで大手町で行われました。

新進気鋭の若手が集うイベント

全国28都道府県から46蔵が集い、各酒蔵が2〜3種類のお酒の試飲提供を行いました。参加したのは、新進気鋭の若手醸造家をはじめ家業を継いで間もない蔵、若手人材の育成を担う業界大手のメーカー、更に”クラフトサケ”などの新しいカテゴリーを発信する前衛的な酒蔵等々。今後の日本酒業界を担う若手醸造家たちが揃いました。

吉田酒造「BANG」

そんなユニークで魅力的なお酒（酒蔵）のうち、今回はごく一部をご紹介★

辨天娘 純米強力｜太田酒造場／鳥取県

太田酒造場 代表取締役：太田章太郎さん

鳥取産の酒米、「幻の米」の異名を持つ強力で醸した純米酒。強力特有のコクと旨みが濃縮されています。

最初の印象は枯れたような香りで、口に含むとバタークリームの様な味わいになります。酸や旨味、ほろ苦さもあり、旨味爆弾のような味わい。それでいて、あと味はキレが良く爽快。55度～60度の燗でより一層華やかになります。

直実 特別純米｜権田酒造／埼玉県

権田酒造 専務杜氏：権田直仁さん

どれにするか迷ったら、まずはこちらをどうぞ！熊谷産の酒蔵好適米「さけ武蔵」を吟醸づくりで醸しました。

味わいは骨太で非常にふくよか。冷やでも美味しいけど、温度毎に表情が変わり様々な味わいを楽しめるので、温度別でお試し下さいね。

若駒 愛山90 無加圧採り 無濾過生原酒 ｜若駒酒造／栃木県

若駒酒造 6代目蔵元：柏瀬幸祐さん

「愛山」を低精米（90％）にして100％使用した純米造りのお酒。醪を搾る際に、圧力を加えずに採られた「無加圧採り」で、「おりがらみ」の無濾過生原酒です。

香りはマスカットのような若々しい果実のような印象で、清涼感溢れる爽やかなニュアンスも有り。微炭酸は控えめで、低精米酒ならではの瑞々しい口当たりも軽快です。”まず一杯目”にもお勧めですよ！

飛良泉 飛囀（ひてん） 鵠 はくちょう｜飛良泉本舗／秋田県

飛良泉本舗 専務取締役：斎藤雅昭さん

敢えて一言で言うなら、とことん「酸」に向き合ったお酒。

協会酵母No.77（リンゴ酸）・山廃酛（乳酸）・白麹（クエン酸）という組み合わせで、「酸」を生成する三大要素を駆使して造った飛良泉27代目のチャレンジ酒。酸のバランスがとにかく良いです。丸みを帯びた酸と甘みのハーモニーが魅力ですね。

伊予賀儀屋 月見純米 SEIRYO TSUKIMI -月光稲穂-｜成龍酒造／愛媛県

成龍酒造 常務取締役：首藤英友さん（左）　製造部副杜氏：首藤敏孝さん（右）

愛媛県産の「しずく媛」を使用したお酒で、香りの質、甘味・酸のバランスが抜群です！

甘く爽やかな香りで、お米の旨味をうまく引き出しているので、味わいは優しくまろやか。弊社の強みである「最強の食中酒」を体現しています。バター系の風味などしっかり系のお料理と相性が良いですよ♬

雪の松島「海-KAI-／ひとめぼれ」純米原酒｜大和蔵酒造／宮城県）

大和蔵酒造 杜氏：関谷海志さん

”飯米王国”宮城県の「ひとめぼれ」を使用した純米酒です。

香りは爽やかで、すっきりした優しい味わい。味が変化しやすい生酒の期間を短くする為に、搾ってすぐに瓶詰め、そのまま瓶燗火入れを行なって、フレッシュな風味を閉じ込めました。

甘い香りを醸しつつも甘ったるさはなく、優しい米の旨みを最後まで楽しめます。

イベントの魅力

若い感覚も取り入れて酒造りを行う醸造家たちと直接話せたり、日本酒の選び方や楽しみ方なども直接聞けるのが醍醐味。各蔵のこだわりを知ることができる貴重な機会とも言えるでしょう。

場内には日本酒に合うフードも盛りだくさん。筆者が行った時は雨でしたが、試飲を勧める側も飲む側も「雨もまた楽しい」と言わんばかりの熱気で溢れていました★

参加酒蔵

HP：https://sakejump.com/event/2023/autumn